富士フイルムのROIC経営と品不足

FUJIFILM GFX 50S II + NOKTON 50mm F1 Aspherical VM
FUJIFILM GFX 50S II + NOKTON 50mm F1 Aspherical VM

昨今、FUJIFILMの新製品カメラは、なぜ発売直後から品薄になり、ちょろっと在庫が復活したかと思えば、こんどは販売終了~……という道を辿るのか。

もちろん、すべての機種がそうではない。ただ、ここ数年のXシリーズを見ていると、欲しいと思ったときには買えない、そんな状況が珍しくなくなっているように感じる。

象徴的なのがX100Vあたりで2022年に供給不足で受注を停止し、その後も十分に供給が回復しないまま、2024年には後継機X100VIへの切り替えで終了~って流れだったかな。X-E4も2021年に発売し1年半程度でディスコンだったし、更にいうとGFX50S IIも2021年の発売から2年程度でディスコン。

イメージセンサーや画像処理プロセッサーの調達制約、主力モデルへのリソースの集中、生産能力の限界など、供給が追いつかない等もありそうだが、、ただ、それだけではなく、企業としての投資規律も関係してそうで、、そもそもCanonやSONYはイメージセンサーを自社開発・製造できるうえ、生産規模も大きい。その一方で、FUJIFILMは外部調達に依存しているため、限られた生産資源をどこへ振り向けるかという判断がより重要になるのかもという事で。

最近『週刊東洋経済』の富士フイルムHD特集を読んでてそう感じた。

富士フイルムHDのCFOの樋口氏がROIC(Return on Invested Capital:投下資本利益率)を軸とした経営について語っていた。富士フイルムHDは、このROICを重視し、どの事業に資本を配分、どの事業を縮小・再編するかを判断しているんだけど、特に興味深いのは、累計1兆円を超える資金を注入し投資回収が遅れているバイオCDMOには将来性を見込んで投資継続なのに、黒字のBI事業は切り離しを検討している点。目先の利益だけではなく、将来的な資本効率を見据えたポートフォリオになっているのが読める。 (ROICについて気になる方はググってちょ)

で、カメクラ勢からすると気になるのはカメラを含むイメージング事業はどうなのかって話なんだけど、実はイメージング事業のROICは50%を超えており、グループ内でも突出して高いんだよね。。。ただし、これはチェキや写真関連製品などを含むセグメント全体の数字であり、XシリーズやGFXシリーズ単独のROICや利益率まではわからん。決算資料からもわからん。

その一方で品薄は販売機会の損失にもつながるわけだし、X-E4のように後継機まで長い空白期間が生まれるケースもあるわけで。

高いROICを維持することと、将来的な企業価値を最大化することは、必ずしも同義ではないのが重要。

個別の生産計画に投資規律がどこまで影響しているのかもわからんよと。

ただ、グループ全体でこれほど資本効率を重視している以上、XシリーズやGFXシリーズの生産能力に対する投資判断にも、少なからず影響してるんじゃないかなぁと思うわけで。

今回の記事を読んで、カメラの品薄ってのも、企業全体の資本配分という視点で見ると、また違った景色が見えるよねってお話でした。 おしまい。